最近はe-Sportsの競技者でエナジードリンクを飲用されている方が結構います。
先のE3ではRazer社がエナジードリンクを発表して話題となりました。
商品名はRespawn(ゲーム内で倒されたキャラクターが再配置される、リスポーン)と言う、ゲーミングブランドらしいシャレの効いた名前です。
また、MONSTERエナジーもかつてレインボーシックスシージとコラボをするなどビデオゲームを支援する動きを見せています。
さらに、コカ・コーラもエナジードリンクを発売しておりまさに市場はますます過熱して行っています。
e-Sportsとエナジードリンクは今後どのような関係になっていくのでしょうか。
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そもそもエナジードリンクとは?
最初に疑問となったのは栄養ドリンクとエナジードリンクはどう違うのかと言う事。
コトバンクにはわかりやすい詳しい記述がありました。
引用元:コトバンク
一部、栄養ドリンクと同じ成分を含む飲料で、日本では「清涼飲料水」として販売されている。製品や販売地域によっても異なるが、カフェインやアルギニン、バリン、ナイアシンといった成分を含んでいる。他の清涼飲料水に比べてカフェインの含有量が多く、強炭酸ののどごし、強い甘さなどが、共通した特徴である。
栄養ドリンクの代表としては、薬剤師または登録販売者からの情報提供を努力義務とする「第2類医薬品」であるユンケル黄帝液や、「指定医薬部外品」であるリポビタンD、ユンケルローヤルゴールドなどがあるが、それらに比べ、エナジードリンクは成分や効能表示で制限を受けるため、タウリンなどの効き目が強い成分は入っていない。また、ゆえに「滋養強壮」や「栄養補給」などの表示も明記することはできない。
タイで発売され、全世界に普及した「Red Bull(レッドブル)」が、エナジードリンクのさきがけとして知られている。日本にも2005年12月に「Red Bull」が上陸、その後、「burn(バール)」や「MonsterEnergy(モンスターエナジー)」などが次々に発売され、手軽に水分が補給でき、清涼感も味わえると、若者を中心に人気に火が付いた。かつて2000億円といわれた栄養ドリンク市場がこの10年間ほぼ横ばいなのに対し、09年には約31億円規模だった日本国内のエナジードリンク市場は、13年には400億円に迫り、4年で約10倍にまで拡大した。その後も食品・飲料メーカー、栄養ドリンクのブランドによる市場参入が相次いでいる。
(城島充 フリーライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について
手軽かつおいしいと言う点はよく理解できます。
それもそのはず、エナジードリンクには結構な量の砂糖が入っています。
また、カフェインの量も多くデザインもキャッチ―なので即効性のある体力回復ドリンクと言うイメージで愛飲する若者が多いのはよくわかる話です。
ドーピングとかにならないの?
ここで単純な疑問なのですが、アスリートの場合ドーピングの項目に引っ掛かる事は無いのでしょうか?
調べて見たところ、レッドブルだけ明確な回答がありました。
結論としてはレッドブルはドーピング物質は含まれていないそうです。
また、世界ドーピング防止機構(WADA)はレッドブルにも含まれるカフェインを2004年1月に禁止リストから除外しています。
ただし、カフェインだけは除外されていても監視項目となっているため今後の展開によってはまた禁止になる可能性があります。
e-Sportsにおいてのエナジードリンク
e-Sportsを早い段階でサポートしてきたレッドブル
現在ではエナジードリンクのメーカーが様々な形で支援したりスポンサーになったりする事は珍しく無くなって来ました。
しかし、その中でも長くe-Sportsを支えて来ているのがレッドブルです。
2012年よりサポートを始め、2018年には東京の中野に「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」と言うゲーミングスペースをオープンさせています。
今よりも未熟だったe-Sports市場に早くから参入し、選手たちをサポートする事で共に市場を盛り上げていくと言うところがレッドブルのスタンスです。
レッドブル
プロゲーマーとのスポンサー契約をするメーカーも
これは栄養ドリンクの話になるのですが、エスカップNEXTを販売するエスエス製薬がe-Sportsチーム「AXIZ」とのスポンサー契約を結びました。
AXIZを通してゲーマーたちに、「いけるぞ、自分!」がキャッチコピーのエスカップNEXTを提案しその魅力を伝えていくと言う事なのでしょう。
また、レインボーシックス シージなどで有名なプロゲーマーチーム「父ノ背中」メンバーであるけんきさんもエナジードリンクのプロデュースをすると言う企画が進行していると言う話が彼のYouTube配信で語られていました。
今後もこのような企画が続々と登場する事でしょう。
オリンピックでの競技化によってどうなって行くのか
IOCの見解はWADAを支持
先のドーピングでの項目でも触れましたが、エナジードリンクで特に多く含まれるカフェインはドーピング対象から外されています。
そうなれば、レッドブルを筆頭にしたエナジードリンクが直ぐに使用禁止になるとは考え難いとは思います。
しかし、まだ実際に開催されたことのないオリンピックでのe-Sports大会ではそれがどう変わるのかは未知数です。
風邪薬ですらドーピング項目に引っ掛かるのですから、市販のエナジードリンクの使用は避けられるでしょう。
そうなると、今度はプロモデルのエナジードリンクが登場しても不思議ではありません。
いっそ、e-Sports向けのエナジードリンクが他の競技でも使用されるなんて展開もありそうですね。
決して健康にいい物という訳ではない。
パフォーマンスの向上のためにエナジードリンクは効果的ですが、糖分などが多く含まれているため今度は糖尿の心配が出てきそうです。
スポーツの祭典を目指していたら糖尿病になったプロゲーマーみたいな悲劇が起こる前に、そろそろ健康を意識した新たな商品開発は必須です。
あのポカリスエットですら糖分が多いので薄めたものを飲む事が推奨されるくらいです。
今度はトクホのエナジードリンクが登場しそうですね。
用法用量を守って飲用しましょう
飲みすぎは毒!
エナジードリンクは正直言っておいしいです。
私も一時期モンスターエナジーを愛飲していましたが、砂糖が多く含まれているとの事なので封印しました。
海外では子供がモンスターを飲みすぎてカフェイン中毒により死亡したという例もあるので、適量を守らないと健康を損なう可能性もある事を忘れないようにしましょう。
即効で効果が得られるものには必ず代償があると言う事です。
蛇足・Bauhutteも参入しないかな…
稼げると判れば持ち前のフットワークで次々と新商品を開発していくBauhutte(バウヒュッテ)。
親会社のビーズ株式会社は2017年にゲーミング家具事業を立ち上げました。
これはe-Sports事業が今後伸びる事を見据えてのブランド立ち上げだったのでしょう。
日本メーカーのエナジードリンクが今後増えるに当たって彼等が声を上げる日は来るのか…